網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)の症状
暗い所でものが見えにくくなる夜盲から始まります。これは、網膜にある視細胞のうちの主に暗い所で働く細胞から機能が衰えていくためです。現代の日本においては、夜間でも明るい場所にいることが多く、夜盲の症状は気づきにくいです。暗い所でものを探しにくい、暗い所で人が急に現れるということが続くと夜盲が疑われます。ただ、深刻に病気として捉えられることは少なく、視野狭窄(しやきょうさく)が進んだ時に、病気を疑うことが多いのが現状です。
※視野狭窄・・・縁からぼやけ始めて、徐々に見える範囲が中心に向かって狭くなる症状。
網膜色素変性症の症状の時期や進行は、人によって異なり、小児で診断を受け30代で失明する場合もあれば、高齢になってもある程度の視力がある場合もあります。共通しているのは、ある時に急激に症状が悪化するのではなく、非常にゆっくりと進行します。そのために、進行が止まるのではないか、失明までいかないだろう、とパソコンやスマホなどの利用時間が増え、結果的に目を酷使してしまう場合もあります。逆に、失明するかもしれない不安で、ストレス過多になる場合もあります。結果的に、網膜色素変性症を原因とする視力低下に加え、目の酷使やストレスによる視力低下が合わさって、症状が悪化することになります。
そのため、網膜色素変性症と診断されたら、強い光を避ける、目を疲れさせない、など日常生活で注意する必要があります。視細胞は強い光を長時間受けると寿命が短くなるため、屋外での作業や車の運転、アウトドアスポーツを行う際には、遮光眼鏡を使用するなどの工夫をします。また、パソコンやスマホなどを長時間使用することは、毛様体筋を緊張させ続けることになり、筋肉が疲労し硬くなります。これにより目の老化が進んでいきます。ですので、適度に休憩して目を休め、疲れないように工夫します。
また、過度のストレスも視力低下につながります。これは、目から入った信号が脳で処理される際に障害が起こる場合や、ストレスにより自律神経が乱れ視細胞へ血液がスムーズに運ばれずに視細胞に障害が起こる場合もあります。
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