糖尿病性網膜症(とうにょうびょうせいもうまくしょう)とは

糖尿病は、インスリン作用の不足によって起こる代謝異常疾患であり、高血糖が主要な症状です。自覚症状としては、口が渇く、多尿などがあります。網膜症は、心臓血管障害の一つにあげられます。

糖尿病自体は、2つのタイプがあり、タイプ1糖尿病といわれるインスリン依存型糖尿病は、ウィルス感染を主としたΒ細胞または脾臓にあるランゲルハンス島の炎症性病変に続発する変性・消失です。タイプ2糖尿病といわれるインスリン非依存型糖尿病は、遺伝的素質と肥満(過食・運動不足)、ストレスなどによるΒ細胞の過労、機能低下によります。

タイプ1糖尿病の網膜症は、発病時期が比較的明瞭で発見が遅れることが少ないという特徴があります。発病早期からの積極的なシンスリン投与を中心とした糖尿病管理が続けられる限り、網膜症は15歳前後に発症し25歳前後で増殖化、悪化するものが出てきます。一般的に、網膜症が増殖化すると、成長ホルモンなどの関係があって、急速に進行するものが多く、少しの油断が失明につながることが多くあります。

タイプ2糖尿病の網膜症は、成人で高血糖状態が5~6年持続すれば発症します。タイプ2糖尿病患者の眼底に網膜症が認められた時は、すでに糖尿病発病以来5年は経過していると考えます。このタイプは、網膜症発症後3~5年で増殖化するものが多く、ある時から急激な血糖正常化(低血糖頻発を含む)を試みたケースに多くあります。なぜ増殖化を起こしやすいかというと、下記の3つの可能性が考えられます。

1.高血糖が異常な状態で長期間放置されている
2.高血糖を知らない状態で、血糖降下剤で急激に下降させる
3.高血糖と低血糖を繰り返す

健康な人や糖尿病発病後、間もない場合は、血糖の変動も有害ではないのですが、ある程度血管壁の病変が進行した場合は、急激な血糖の変動はかなりの衝撃となるためです。このことを理解していない内科医、糖尿病学者も多いのです。
二次性糖尿病は、以前は網膜症は合併しないと考えられていましたが、網膜症の発症と悪化が見られるケースがあります。原因疾患が、薬や手術などの手段で急速に完治することで、血糖値が急に変動されるのと同じ意味をもつためです。

網膜症の自覚症状は、視覚の低下から始まりますが、視力低下として自覚するのはかなり重症化してからとなります。病変の進行により、様々な視野変化を伴うことが多いですが、あまり自覚することはありません。

●糖尿病性網膜症の原因

糖尿病性網膜症

インスリンの不足つまり糖尿病によって起こる病態には、さまざまなものがありますが、その代表として糖代謝障害があります。結果として、高血糖が現れ、これが網膜症の原因として考えられています。

 

 

当院の治療方針

(1)血糖降下剤の使用によって、血糖値は上昇と低下の間に激しく上下変動し、網膜症の悪化を起こしやすくなります。
(2)よって、当院は、薬を即刻中止もしくは最小限に減らして、薬でコントロールせずに、食餌療法と運動療法と併行して、陳氏針法の眼針、体針でインスリンホルモンの自己量と作用を徐々に回復させ、血糖値を徐々に回復させます。これによって、網膜症の予防、軽減に効果を発揮すると同時に視力を向上させます。

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