主な脱毛症の種類と特徴
AGA(男性型脱毛症)、若年性脱毛症、壮年性脱毛症
当院では、AGA(男性型脱毛症)、若年性脱毛症、壮年性脱毛症の3つの病名は、同じ症状であることから同じ病気として扱っています。
AGA(男性型脱毛症)
思春期以降の男性にみられる脱毛症です。髪の毛がごっそりと一気に抜けるのではなく、徐々に髪が細く軟毛となり、額の生え際および頭頂部で進行していきます。日本人の男性の約3割がAGAを発症するといわれており、年齢を重ねるにつれ発症の割合も増えていきます。(年代別には、20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降は40%を超えます。)
また、女性もAGA(男性型脱毛症)を発症することがあり、更年期以降にみられることが多いとされています。男性と異なり、額の生え際の後退は大きく目立たず、頭頂部を中心に広く薄くなる症状です。女性型脱毛症といわれることもあります。
若年性脱毛症、壮年性脱毛症も同様の症状であり、治療法も同じです。
若年性脱毛症
思春期の頃(13歳くらい)から、発症が見られます。(「若年性」とありますが、発症は「若年」に限ったものではなく、発症の年齢に上限はありません。)
これは、ホルモンの異常により発症するためで、思春期までに発症する方はおられません。最近では、AGA(男性型脱毛症)といわれるようになりました。
壮年性脱毛症
青年期から壮年期の男性にみられます。壮年性脱毛症といっても、思春期以降でみられる徐々に進行する脱毛の症状であり、年齢で区別されるわけではありません。
症状や治療法は、AGA(男性型脱毛症)や若年性脱毛症と同じです。
もともとは若年性脱毛症は思春期以降20~30代の方にあてはめられ、壮年性脱毛症は40代以降の方にあてはめられていましたが、いずれも症状は同じため(年齢によって症状に変化が起こらず、また年齢別に脱毛のパターンが異なるわけではないので)、最近は総称してAGA(男性型脱毛症)を使用するようになってきています。
- どんな病気ですか
- なぜ病気になるのですか
- 一般的にどのような治療法がありますか
- 鍼治療で治りますか
円形脱毛症
後天性脱毛症の一つです。生まれつき毛が生えないというのではなく、生えていた毛が円形や斑状に抜ける症状です。頭部だけでなく、毛がはえている部位全てに起こる可能性があります。
当院で治療を行った患者さんですと、生後8ヶ月から70代まで発症の年齢は様々です。
性別も男女関係なく発症します。
通院されている方は、大人の場合、女性が圧倒的に多いです。独身の男性で通院する方はおられますが、結婚されている男性の通院はありません。これは、男性が発症しない、というのではなく、経済的理由で治療が難しいのではないか、と思われます。
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脂漏性脱毛症
思春期の発症が主となります。思春期に、男性ホルモンの分泌が活発になり、脂が多くなるために、脱毛症となります。
女性でも多く見られます。
よく皮脂が過剰に分泌されるために、その皮脂が毛穴を防いでしまうため脱毛するといわれますが、あくまでもホルモンの異常によりおこる病気です。(毛穴がふさがれるために脱毛するわけではありません。)
脂漏性脱毛症に限らず、脱毛すると、これ以上髪を減らしたくないという気持ちからか、シャンプーをしなくなる方がおられます。もしくは、気にしすぎるあまり、リンスやコンディショナー、整髪料などを多用してしまい、頭皮にゴミがたまりやすくなります。特に、脂漏性の方の場合、これが原因で角質がとれフケが多くなるのですが、これを乾燥しやすいのと間違えてしまい、誤ったシャンプー剤の使用を行うことがあります。これにより、脱毛が進んでしまう(症状が悪化する)こともあります。
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産後脱毛症(分娩後脱毛症)、ピル服用後脱毛症
女性に特有の脱毛症です。出産後、一時的に脱毛が起こります。この脱毛は、妊娠後期に女性ホルモンが増加するために(男性ホルモンが減少するので)、毛周期が長くなり本来であれば、退行期から休止期に移行する毛髪が成長期にとどまります。(この間、抜け毛が通常よりも少なくなります。)出産後、ホルモンバランスが元に戻る(増加した女性ホルモンが減少し、男性ホルモンが増加する)ために、成長期にとどまっていた毛髪が退行期から休止期へと移行します。正常な抜け毛に加え、出産までに抜けるはずであったが抜けていなかった毛髪も抜けるために、脱毛したと思われるくらいの多くの抜け毛がおこります。(個人差がありますが、正常な方で、半年から1年でおさまります。)ホルモンバランスが一時的に崩れるためにおこるもので、本来であれば、気にする必要のない自然に治る脱毛症です。
ですが、最近は、この産後脱毛症が悪化、正常な状態に戻らないという現象がみられます。当院で治療を行っているのは、この”異常な”産後脱毛症の患者さんです。
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内分泌疾患(下垂体,甲状腺,副甲状腺,副腎など)
に伴う脱毛
バセドー病(甲状腺機能亢進病)による脱毛症
甲状腺ホルモンの異常により起こるびまん性の脱毛症です。
もともと甲状腺は、体の代謝をコントロールする働きをします。新陳代謝を促す、つまり細胞の活動を活発化するので、髪の成長も促進させます。この働きに異常が起こると、脱毛が起こります。甲状腺ホルモンの異常がやっかいなのは、低下しても脱毛を引き起こしますし、過剰分泌の場合も脱毛することです。
バセドー病(甲状腺機能亢進病)は、この甲状腺ホルモンの過剰分泌が原因で、脱毛はこの病気によっておきる症状の一つです。
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