休止期脱毛症

通常、成人の頭毛は約80~90%が成長期であり、約10%が休止期毛です。また正常毛週期のうち休止期は数ヵ月間続きます。ヒト頭毛は約10万本あるといわれており、すなわち10%(1万本)が休止期毛として存在しています。これら休止期毛が休止期の期間(約100日とする)に少しずつ抜け落ちると概算されます。つまり、この抜け毛が生理的脱毛であり、この生理的脱毛が種々の原因により、異常に増加する病的状態が休止期脱毛症です。(成長期にある毛が抜けるのは、成長期脱毛症です。)

この原因としては、持続性高熱、難産、外科的ショック、出血、急激なダイエット、精神的ストレスなどが報告されています。また、脱毛を副作用とする薬の内服による休止期脱毛もあります。(薬による脱毛~薬剤性脱毛症を参照。)

脱毛の程度は、これら原因の程度と個体差により異なると考えられています。休止期毛は、再生してくる成長期毛により毛包から押し出されるように抜け落ちます。産後脱毛症(分娩後脱毛症)も、休止期脱毛症の一型と考えられています。分娩後期にはホルモンの影響により、正常休止期への移行が阻害されており、生理的脱毛が減少しています。分娩後、生理的脱毛への移行が再開されることにより、一気に休止期毛が増加するため、出産後3~4ヶ月後にはびまん性の脱毛が生じてきます。同様の脱毛は、ある程度の期間、内服を続けた経口避妊薬を中断することによっても生じます。

これらの休止期脱毛症にたいする鍼治療の効果は、それぞれの病状によって変わります。正常であった身体の機能が、何らかの影響により異常になった場合、元の正常な状態に戻すこと、弱まった機能をもとに戻すことが、鍼治療では可能です。(但し、薬の副作用で脱毛が起こっている場合、服用しながらの治療は効果が非常に出にくくなります。基本的に、服用や外用を中止し、その後の回復を早める治療が効果的です。)

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