子供のストレス
3.小学校高学年(小学4年生~)
小学校高学年になると、学校の勉強が難しくなってくることから、中学進学を考えてる場合は受験を考えて、塾に行くというケースが多いです。また、学校のテスト結果を親御さんが気にするようになる時期でもあります。この勉強に対するプレッシャーが大きくなることが、子供にとっては大きなストレスとなります。
すでに円形脱毛症を発症しているお子さんの場合、塾に行くことで再発をしたり、症状がひどくなることが多いです。大体の場合、子供から塾に行くのが嫌だというメッセージはありません。「塾に行くのが嫌」と言葉を発する代わりに、円形脱毛症が再発する、あるいはひどくなる、という「身体からのメッセージ」が発せられる、ことになります。この時の親御さんのアクションは2通りあります。「塾がストレスになっているのではないか」「塾でいじめられる(いじめられている)のではないか」と考え、すぐに塾をやめさせるというのが一つ。(この場合は、すぐに脱毛症が治る、症状が緩和する、という結果になることが多いです。)もう一つは、塾に行くことと脱毛症の関連にきづかない(もしくは、関連があると思っても、それほど大ごとだと認識していない)ので、塾をやめさせずにそのまま続けさせる、という状態です。(この場合は、大概、悪化していきます。)
いずれにせよ、日常生活において、親子間で「脱毛症」について語られることはありません。言葉に出されることはありませんが、親にとっても、子供にとっても、脱毛症が大きな悩みのタネ、という状態です。場合によっては、子供は「親のせいで脱毛症になった」と考え、反抗的になっていくこともあります。(このような場合、親は子供に申し訳ないという気持ちで、何もしない、という対応が多くあります。)
4.中学校入学前後(小学6年生~中学1年生)
中学入学というのは、子供にとって大きなイベントです。特に、多感な思春期ともかさなります。小学校時代に「脱毛」という症状から、いじめられた、疎外感を感じた、友達や親・先生に気を遣った、という経験があれば、中学校に入ること自体に不安を感じたり、心配をしたりします。その不安や心配は、脱毛症の経験のない子供と比べると、人生の大きなハードルである、と感じるくらい大きなものです。場合によっては、自分の存在そのものを左右する、くらいに大きくなります。(が、親はそこまで、子供の気持ちによりそうことはありません。今まで、子供がどう感じていたか、聞くこともありませんし、脱毛症に関する会話は一切行われたことがないのですから、想像もつかない、ということが多いです。そもそも、親御さんは、「脱毛症の子供をもってしまった」自分の状況に対応することでイッパイイッパイで、子供の立場にたつ余裕がない、という現実もあります。)
おおきくなった子供の不安や心配の気持ちは、脱毛症の再発や脱毛症の悪化という自体を引き起こします。そこでも、親子間で脱毛症について語られることはありません。
中学校は部活もはじまり、この部活に参加することも子供にとっては一大イベントとして、ストレスになります。この時期、部活をきっかけに脱毛症の再発や悪化する場合も多いのです。(ですが、部活を続けても、やめても、脱毛症は治りにくいことが多いです。これは、思春期という時期が大きくかかわっていると考えられます。)