アトピー性皮膚炎の分類~第一グループから第二グループ

第一のグループ(乳幼児期 0歳から2歳)

この時期にみられるのは、単純なアトピー性皮膚炎です。

単純アトピー性皮膚炎は、乳児にみられるアトピー性皮膚炎です。赤ちゃん人口の1~3%、生後2~3週後から3~5ヶ月の間に発病します。 特徴として、ほおとひじの外側の赤くただれた湿疹として、発症します。かゆみが強く、手で引っ掻いたり、顔を手か衣服にこすりつけたりして、悪化させます。

この時期の発病原因としては、遺伝的素因(アレルギー体質の遺伝)あるいは妊娠時の母体の環境や摂取された薬物等により、免疫力の異常が認められることが考えられます。なお、悪化誘因として、過食、過保護、生活リズムの乱れ、身体の清潔が保てないなどがあげられます。

<単純アトピー性皮膚炎に対する当院の治療方針>

まずは、週に2~3回、小児針のみで免疫力を改善します。自律神経が安定し、早ければ3~6か月以内に回復することが多いです。日常生活における注意点として、以下の4点に気をつけます。

  1. 多くのお母さんは、皮膚の表面にあらわれている症状をステロイドなどの薬やクリームだけで治そうと焦るため、かえって治りが遅くなります。まずは、ステロイドなどの薬やクリームを使用しないようにします。
  2. 生活のリズムを正しく整えます。早寝・早起きの習慣をつけることが非常に大事です。
  3. 外気浴、日光浴を行い、段階的に栄養を摂取します。但し、食べ過ぎて肥満にならないように、気を付けます。
  4. 単純アトピー性皮膚炎は、脂漏性皮膚炎や日光性皮膚炎と厳密に区別する必要があります。それぞれの病気の原因と病気に対する対策が全く異なるため、間違った治療法を行うと悪化する恐れがあります。

第二のグループ(小児期 3歳から6歳)

アトピー性皮膚炎からステロイド皮膚炎に移行してしまう時期です。この年齢のアトピー性皮膚炎の特徴としては、すでにステロイド剤を2~3年連用していることが多く、アトピー性皮膚炎からステロイド皮膚炎へ移行しているケースが多いことがあげられます。
小児期に入ってから発症している場合は、食生活(過食または極端な食事制限など)も含めて、家庭内環境の悪化により、発病すると考えられます。
病状は、重症、中等症、軽症に分けられます。これらの共通点として、すでに慢性化してしまっていることが挙げられます。具体的には、皮膚が厚くなり、乾燥してきて、全身の皮膚がざらざらしながら赤みを帯び、首・肘(ひじ)・膝(ひざ)の内側や、手首・足首が赤く爛れて、患者さん本人はものすごい痒みのため、身体中を引っかきまわしている状態です。
喘息(ぜんそく)や円形脱毛症を併発している場合も多くみられます。

この時期のアトピー性皮膚炎の悪化因子としては、以下があげられます。

  1. ステロイド剤の連用で、副腎皮質ホルモンの生産が狂っています。また、皮膚組織の破壊により、自己修復能力が発揮されにくく治りが遅いこと、痒くて引っ掻くために皮膚の傷からの感染がおこるなど悪循環が起こります。
  2. 痒みのために、生活リズムが崩れ、子供と両親含めた家族全員がストレスを感じ、精神的にも悪循環が起こります。
  3. 表面的に、皮膚の症状を早く治そうと焦るため、クリーム、保湿剤などの使用でその成分が症状を誘発します。

<当院の治療方針>

まずは、即刻、ステロイドの使用を中止します。週に3~5回、頭皮針および体針を行い、治療をします。 免疫力、自律神経、副腎皮質ホルモンの機能を改善することで、痒みを早い段階で軽減させることが大事です。
この時期は、お母さんの愛情とお父さんの協力が非常に重要です。回復を早めるカギとなります。

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