円形脱毛症の症状・病型
当院に来られる患者さんの年齢層としては、小児円形脱毛症は生後8か月から2・3歳、成人円形脱毛症は70代まで男女差なくいらっしゃいます。(難治性円形脱毛症とアトピー性皮膚炎との症例はこちらにあります。)
(1) 単発性円形脱毛症
病巣が1個のみの状態が、数年間続く場合と、約3ヶ月から半年で自然になおってしまう場合があります。
円形脱毛症 単発性 男性 10代 大阪府在住
院長のコメント:
単発性は治りが早く、週に2回の通院で3ヶ月で回復しました。症状を放置すると、急に多発性や全頭性に移行することが多いので注意して頂きたいと思います。
円形脱毛症 単発性 男性
(2) 多発性円形脱毛症
数か所の病巣が出来ます。発毛と脱毛を繰り返す場合が多く、やがて(3)に進行していきます。
(3) 多発融合性円形脱毛症
多数の病巣があって、それらが一部で融合します。脱毛はさらに急速に進行します。
円形脱毛症 多発融合性 女性 20代 和歌山県在住
院長のコメント:
親戚の医師からステロイド剤をもらい、最初発毛したが、その後ひどく脱毛しました。(1日に数百本) 当院に来院後、ステロイド剤を中止、週に2~3回の通院で、離脱症状を乗り越えて回復しました。
円形脱毛症 多発融合性 女性 50代 大阪府在住
院長のコメント:
肝臓機能が悪い方です。夜間の仕事をされていました。週に2回の通院で、最初は治りが遅かったのですが、最終的に良くなりました。
(4) 全頭性円形脱毛症
全頭が脱毛します。精神のバランスをくずし、神経症の病状を呈する場合もあります。
円形脱毛症 全頭性 女性 30代
円形脱毛症 全頭性(悪性) 男性 10代
院長のコメント:
小児期から発症した方です。ステロイド剤を長期使用していました。全身の体毛、頭髪が全て抜けていました。皮膚は毛穴が見えないほどの重症例です。週に3回の通院をして頂きました。非常に意志の強い方です。
円形脱毛症 全頭性(悪性) 女性 10代
院長のコメント:
上の例と似ており、小児期に発症しました。ステロイド剤を長期使用していました。来院後、ステロイド剤を中止しました。来院時には、多少の産毛が残っている状態でした。一年間、週に3回の通院で回復されました。
円形脱毛症 全頭性(悪性) 女性 30代
院長のコメント:
急に発症、短期間で毛髪が全て抜け落ちた方です。週に3回の通院で回復されました。発症から来院治療まで期間が短いために、治りが早い例です。
(5) 汎発性円形脱毛症、悪性円形脱毛症
全頭の他、眉毛、睫毛、鼻毛、耳毛、ひげ、腋毛、手足毛、陰毛などの体毛が脱毛します。ハゲる悩みで、性格が神経質になって防御的に変わってくることが多くあります。