アトピー性皮膚炎

当院では、アトピー性皮膚炎を「湿疹が先行し、その後の手当を間違ったことでアレルギー反応を繰り返し、皮膚の異常をきたしたもの」と定義しています。湿疹の時に、適切な処置をしていれば自然治癒しますが、かゆみや炎症を抑えるために塗り薬を常用するケースが多く見受けられます。炎症止めの市販薬でもステロイド剤を含むものが多くあります。ステロイド剤は皮膚を破壊するので、常用し続けると皮膚バリアを壊してしまい、悪化してしまいます。また、破壊された皮膚の状態が「カサカサ」に見えてしまい、しっかりと洗浄しなければならないのに「洗わない」、その結果、薬剤の上にホコリなどが付着したままとなり、その上からさらに薬剤を塗ってしまう、という悪循環から、湿疹がどんどん悪化してしまうのです。

鍼治療では、痒みに対して即効性があります。陳氏針法の特殊なツボの組み合わせにより、すぐにかゆみを止めることが可能です。また、炎症の赤みも薄くなり、じくじくした汁が出なくなります。そのため治療をした日は、ぐっすり眠ることが出来ます。(但し、リバウンドの際には症状がひどくなるために、ぐっすり眠れないことがあります。)アトピー性皮膚炎の患者さんには、特に集中的に治療することをすすめています。治療を行うと、かゆみや赤みがなくなることを実感できますし、精神的に希望がみえてきたと感じられます。治療にあたって、ステロイドや保湿を止めて頂くので、リバウンドが出てきますが、このリバウンドの症状が針治療を行わない場合に比べて、非常に軽くなります。

当院の陳氏針法では自律神経をはじめ自己免疫系の異常を正常に戻すという根本治療を行っています。(薬の摂取が長期にわたっている場合は、その薬に起因する異常を元に戻す必要があるため、治療期間が長期にわたります。)鍼治療は、病院の治療とは異なり、患者さんの治療に対する努力を必要とします。なぜなら、実際に異常を正常に戻すのは、患者さん自身が元々持っている自己免疫力・治癒力だからです。鍼は、患者さんの弱まった自己免疫力・治癒力を補助し、実際の力を発揮するよう身体に刺激を与える技術です。そのために、誰かが(あるいは何かの薬が)病気を治してくれる、という考え方自体を変えて頂き、最初の異常を起こす原因となる生活習慣などの環境を変える必要性を認識し努力して頂きます。これにより、再発しない本当のアトピー性皮膚炎の完治に至ることが出来るのです。

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