脱毛症と血行について

血行が悪くなると、悪影響を受けるのは「毛母細胞」です。血行が悪いというのは、血液が行き届いていない状態ですので、栄養不足となります。そうなると、細胞レベルの活動が鈍くなり毛母細胞の活動力(分裂する力)が低下します。これは、毛髪の伸びる速度を遅くし、太くする力も低下させます。結果、髪の毛があまり伸びず、細くなります。そして、正常な時(栄養が行き届いているとき)よりも早い段階で、毛母細胞の活動が停止し冬眠状態になります。(毛母細胞は死んではいません。)そして、3ヶ月後に毛髪が抜け落ちます。冬眠状態だった毛母細胞は、再び活動を開始します。

正常な男性の毛髪の寿命に比べると、血行不良により栄養不足の状態が続く毛髪は、段階的に成長のスピードが遅くなり、細くなっていきます。最初は、5年で抜けていた髪が4年になり、3年になり、最終的には、毛母細胞が活動を停止したままの状態になります。一本の髪の毛が、正常な状態から、毛母細胞が活動しなくなるまで、10年以上の期間を要します。この毛母細胞が活動しなくなるまでの期間、つまり脱毛状態に至る進行のスピードは、後天的な要因によって決まります。これは、個体の細胞レベルの生命力が違うためです。また、10万本といわれる毛髪それぞれの強さも違います。悪影響を受ける毛の数の多い人は、症状の進行が早くなります。例えば、大人と子供で比べた場合、2週間にわたって栄養不足が続くと、先に目に見えて衰弱するのは子供です。ですが、時間が経過するうちに大人も影響を受けて、衰弱していきます。

髪の毛の栄養不足の原因は、血行不良です。特に、末梢の血行の循環の影響が大きいのです。

つまり、血行と脱毛は、関係ない、ということではありません。症状の進行のスピード、毛髪の数、個人的に気になるかどうか。いろいろなことが関係しています。

では、血行が悪くなると、何故、全ての毛が一気に抜けないのでしょうか。この質問に対する一つの答えが、男性ホルモンの異常です。

男性ホルモンは、血液により運ばれます。(なお、血液が行き届かないと、ホルモンも届きません。)この男性ホルモンが、過剰であること自体が問題なのです。男性ホルモンは、脳下垂体から刺激ホルモンが出て、生殖器でつくられます。この脳下垂体の指示が狂ってしまっているのです。特に、男性ホルモンの生産が活発になる思春期は、男性ホルモンが増加するのが当たり前ですが、異常な量の生産が指示され、これにより、男性ホルモンの影響を受けやすい頭頂部の脱毛が進んでしまいます。

鍼の治療では、これらの異常を正常に戻す治療を行っています。

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