育毛剤や養毛剤でよく使われる「浸透」の意味

AGA(男性型脱毛症)の方の初期症状として、「最近、髪が薄くなってきたような気がする」「髪が細くなってきたような気がする」ということがあげられます。円形脱毛症とは異なり、AGAは男性も女性も、徐々に進行するので「脱毛した」という症状があからさまに出るのではなく、抜け毛が多い状態が続き、気づいたら「脱毛」していたケースが多いのです。抜け毛が多いな、と感じた時に、多くの方が、市販の育毛剤や養毛剤を使用されています。一つの商品を継続して使用するよりも、半年くらいの期間で次々と違う商品を使用する、というケースが多いように感じます。最初は、それほど症状が悪化するとも思わずに、手軽に購入できる「化粧品」の育毛剤や養毛剤から、と考えられているのではないかと推測します。

テレビのCMや雑誌の広告で、「育毛成分が浸透!」というようなキャッチコピーをみて、「髪によさそう」と思われて購入されるのではないでしょうか。ただ、実際に使用してみると、「効果がないような・・・」と感じて、いろいろな商品を試していく。初期のAGAの患者さんの「よくある行動パターン」です。

そもそも、手軽に購入できる「化粧品」にカテゴリされる育毛剤や養毛剤は、皮膚に浸透することはありえません。(薬機法:旧薬事法で”皮膚を通過する成分を使用してはいけない”と決められているため。)

また、化粧品で使用される成分自体の分子が大きすぎて、角質層さえ通過することが出来ない、ということもあります。

逆に、化粧品に含まれる成分のほとんどが、皮脂膜の上に乗っかっているような状態のまま、外気のホコリやゴミなどを”より”皮膚にくっつけてしまいます。薄毛の方は、シャンプーを怖がる傾向にあるので、下手をすると2日や3日も洗わない状態が続きます。そのため、ホコリが積み重なっていってしまい、それを排除するために、角質がはがれフケとなります。フケが多いと、何故か「皮膚が乾燥している」と感じる方が非常に多く、さらに洗わない、さらに保湿剤も使用する(保湿剤も皮膚に浸透しないので、皮膚の上に乗っかってホコリやゴミをよんでしまいます)、と悪循環になってしまいます。

ですので、まず「化粧品」カテゴリの育毛剤や養毛剤は使用しないで欲しいのです。

「でも、CMでも浸透するって言ってるよ」

それは、「医薬部外品」カテゴリの育毛剤や養毛剤です。これらは、界面活性剤を含み角質層まで浸透します。ですが、毛の毛母細胞があるのは、角質層のもっと奥、真皮の部分です。毛を作っているのは毛母細胞であり、ここまで届かないと意味がありません。(ただ、仮に届いたとしても、直接、細胞に影響を与えることはできません。毛細血管を通じて体内に取り込まれるだけです。)結果だけを考えると、残念ながら、医薬部外品にあたる育毛剤や養毛剤も、毛の生成には影響を与えることが出来ません。

本気で薄毛をなんとかしたい、と思われたら、育毛剤や養毛剤選びに熱心になるよりも、食生活や生活習慣、ストレスを改善しては如何でしょうか。

なお、あなたの症状が、それでも改善しなければ、あなたの身体自身の治癒する力が弱まっていると考えられます。本来であれば、異常な状態を正常な状態に戻してくれる、身体の持つ自然治癒力で治っていくはずですが、その機能が発揮できないほどのダメージを受けてしまっている、ということです。鍼治療は、弱まってしまった自然治癒力を元に戻すことができます。薬もサプリも使用せずに、本来、あなたが持っているはずの治癒する力をとりもどす、それが鍼の効果です。

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