【症例36】アトピー性皮膚炎
患者さんが疑っている病名 | |
病院で告げられた病名 | アトピー性皮膚炎、ステロイド皮膚炎、皮膚萎縮、ステロイド潮紅 |
診断名 | アトピー性皮膚炎、ステロイド皮膚炎、皮膚萎縮、ステロイド潮紅 |
既往症 |
概略
40代、男性。
20年以上、ステロイドの塗り薬と飲み薬を服用している。
塗り薬は、顔(目や耳の周囲)、首、胸部、腹部、腕や肘、背中など体の大部分に使用している。
具体的な症状としては、耳の後ろがジュクジュク、首は手足の関節の内側に炎症がある、頭にぶつぶつの炎症がある、ほっぺたなど顔に炎症があるといったものがある。それ以外に、首や腰が重く、身体全体に疲れやだるさを感じたり、胃が重く痛い、寝つきが悪いといった症状がある。
今までにアレルギー症状として、喘息や蕁麻疹と診断されたことがある。
アトピー治療として、今まで食事療法、丹羽療法、SOD療法、温泉療法などを試したことがある。
病歴
年齢 | 病歴 | 治療法 |
小学生 | 喘息と診断される。 | 吸入薬として、 メプチンクリックヘラーを処方 |
高校から大学 | 湿疹が出る時があった。 特に夏に症状が発症しやすい。 背中や腹部だけでなく、肘・足・顔面にも拡大してきた。 |
フルコート リンデロンV トプシム |
30歳前後 | 症状がひどくなる。特に顔は赤くはれる。 ステロイド剤が効かなくなる。 3日間、ステロイド内服(プレドニゾン5mg)を1日3錠を服用することで、 痒みの症状は消失したが体中に暗褐色の色素沈着、皮疹が残る。 |
ダイアコート マイザー テルモベート |
32歳 | 3か月間、休職してステロイド剤をやめるために温泉療法を行う。 改善したため、復職するが、症状は反復する。 |
保湿剤、ワセリン 非ステロイド剤を使用する |
40歳前後 | ステロイド中止直後くらいのきついリバウンドが再発する。 |
治療の経緯
週に3回の通院から治療を始めました。
治療2回目より、非ステロイド剤と保湿剤をやめてもらったところ、顔面、背中、腹部、四肢に激しい落屑がひどく、痛みもひどくなりました。
治療5回目で、落屑の塊が細かくなり、痒みが軽減し、寝付きが早くなりました。
治療開始1ヶ月で、膝裏、足全体に薄い新しい皮膚が出てきました。
治療16回目に落屑の量が最初の五分の一くらいになりました。
4ヶ月後、痒みが大幅に軽減し、落屑が無くなり、仕事中に痒みを感じなくなってきました。そのため、仕事が増え残業を受け入れるようになり、一時通院が出来なくなりました。そのため、半年後に痒みがひどくなり眠れないといった症状が出てきたため、通院を再開しました。
治療途中に症状が改善されると、油断して治療を中止するケースが多く、そのため再発してしまいます。
再発後は、再び改善するまで時間がかかりますので、完治するまで通院することをお勧めします。