【症例20】若年性脱毛症／完治

若年性脱毛症

概略

若年性脱毛症　30代　男性　滋賀県在住　☆鍼経験はなし

病歴

（１）20代前半から抜け毛が多く、前頭部および頭頂部が薄くなってきました。毛髮は細く短くなってきました。頭髪が少なくなる一方で皮脂の量がかなり多くなりました。今は、若い時と比べ抜け毛は少ないですが、将来のことを考えるとストレスや不安をいつも抱えた状態です。

（２）10年以上、市販の養毛剤を使用していました。また、Ｂ育毛サロンにも2年半くらい通いました。計400万くらいの費用を払いましたが、抜け毛は続いていました。家中に買わされた育毛機器や育毛剤、栄養剤のセットが大量に残りました。

（３）2年前に医薬品養毛剤のＲを使用し始めましたが効果があまりみられませんでした。1年前、病院で高血圧と診断され、「ホルモンの異常かもしれない」と先生から言われました。毎日、朝一錠の血圧降下剤を服用しています。

院長のコメント

（１）重症の若年性脱毛症の症例です。本人は、お酒もタバコも一切のみませんが、仕事が三交代の勤務体制で睡眠や食事などの生活リズムは悪い方です。

（２）10数年間、弱くなった頭皮と毛髮に養毛剤、整髪料、薬用シャンプーなどを使用したことが原因で、さらに頭皮・頭髪・毛髮にダメージを与えていました。この悪循環でストレスがもっと溜まります。

（３）医薬品養毛剤のＲは「ミノキシジール」という血圧降下剤が主成分で心臓・脳血管・血圧に異常がある方の使用は死亡例も報告されています。また、正常血圧の方でも毎日塗布することによって、血圧低下につながり、その反動で血圧が異常に上昇することも考えられます。

（４）治療法として、養毛剤などは即刻使用を中止して、週に2～3回の陳氏針法で頭皮針と体針を受けて下さい。血圧は、2～3か月位で正常に戻ります。(この間は毎日、定時に1日4回血圧の測定をするように指導しています。)

（５）当初は非常に難治な症例であると診断しましたが、患者さんの生活環境と治療面の努力で、初期段階で良い結果がでた例だと思います。