「肌の奥まで浸透」はウソだった!! 化粧品の粒子は皮膚の表面にさえも浸み込んでいない、吸収するのはあり得ない。
一般的な化粧品に使われている粒子は、人間の髪の毛の100分の1ほどの大きさだそう。そこで、20~200ナノメートルの大きさの ポスチレンビーズに蛍光タグをつけ、肌に浸み込むかどうかを共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、これらのビーズは角質層と呼ばれる表皮の一番外側の層にさえも浸透することはできなかったという。
結論から書いておきますが、どれだけ高い化粧品を塗ったとしても、一般の食事を摂取し、規則正しく睡眠を取り、体力に合う適度な運動をするのような効果は期待できません。
ナノ粒子について
髪の毛の太さの1/100程度の粒子、だいたい20~200ナノメートルの大きさだそうです。
1ナノとは、10億分の1メートル、100万分の1ミリ。
甲子園球場のバッターボックスから外野フェンスを1mmとしたら、球場の砂粒1つが1ナノメートル相当だ。どのくらい小さいかなんとなくわかるかな。
20から200ナノメートルのポリスチレン粒子は(原文にはfluorescently-tagged polystyrene beads)、一切皮膚を透過しなかった。皮膚はバリアのためにあるので、何らかの物質が簡単に皮膚を透過するんだったら、感染症にかかりまくり、触った物が体内に取り込まれまくりだ。
簡単に肌に(浸透)しみこんだら世界は大変なことになる
もしも皮膚がいろんな物質を簡単に透過させるとしたら…料理もトイレ掃除等日常生活が命がけになるね。
入浴剤とか使うと、多分蛍光塗料で染めたみたいに全身が染まるよ? 口紅使うと、クレンジングでも落ちなくなるよ? そして、食器洗い洗剤を使って食器洗いとか絶対無理。シャンプーで洗髪も出来ないな。
ほぼあらゆる物質は皮膚を透過しないんだけども、例外的に皮膚を透過するものもあるんだよね。ある条件を満たすと皮膚を透過するのです。インドメタシンやボルタレンの塗り薬が筋肉の痛みを緩和するのはそのせいだから。
薬はなんで皮膚を通り抜けられるのか?
まずは、分子量が小さいこと。正常な皮膚の場合は、分子量500が皮膚を透過するかしないかの分水嶺になります。分子量ってのはなんなのかというと。簡単に言うと、分子量は、分子を作っている成分の元素の、原子量を全部足したもの。
Hの原子量は1.01
Oの原子量は16.0
なので、
1.01×2+16.0≒18.0
水は皮膚を通り抜けられます。だから、お風呂に入り過ぎると水でふやけてくるでしょ。生きているカラダには、体液濃度を一定に保つ仕組みがあるから、ちなみに、ヒアルロン酸は分子量100万前後、コラーゲンは30万前後。分子量が大きすぎて、皮膚は通り抜けられない。
脂溶性と水溶性の両方の性質を合わせ持っている方が、皮膚を通り抜ける力が強くなります
皮膚の一番表面を覆っている角質層は脂溶性のものが吸収されやすく、角質層よりも下は水溶性のモノのほうが吸収されやすくなってるからなのだ。 もし 角質層を出来る限り取り除くと、皮膚の吸収力は強くなるそうで。ケミカルピーリングとは 弱い薬剤を使用して、角質層を溶かして、皮膚の新生を促す美容法なんだけど、ピーリングの弱いのを行ってからだと、いくらか皮膚へ化粧品の成分が吸収されやすくなるみたいです。けれど、そのかわり、皮膚のバリア機能も破壊されている。
水溶性と脂溶性、両方の性質を持つものとは?
水溶性と脂溶性の両方の性質を持っているもので一番身近なものって、界面活性剤です。合成洗剤が一番最初に思い浮かぶかも知んないね。でも、石鹸も界面活性剤なんだ。
親水基は、水に溶ける性質、親油基は油に溶ける性質を持ってんの。一つの物質が両方の性質を併せ持っているのです。 こういう性質を持っている物質は、水と油を混ぜることが出来ます。
境「界面」を活性させられるから「界面活性剤」ね。乳化剤って呼ばれているものも、界面活性剤です。水と油を混ぜあわせてコロイド化(油を細かいつぶつぶにして、液体が白く濁るようにすること)することを「乳化」って言うのだ。これをする薬剤が、乳化剤。やってることは同じでしょ、界面活性剤と。
こうやって作っているのが「乳液」のだ。だから、保湿にオイルを使うのです、乳液には「乳化剤」が使われているから。
水溶性ビタミンCと言われる アスコルビン酸ナトリウムは、分子量は198.11、油に溶けないのだ。皮膚を通り抜けられる油溶性ビタミンC誘導体ってのがありまして。テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビルってのが一般的なものらしく。油溶性なのはいいんだけど、分子量が1129.76なので大きくて皮膚を通り抜けられないと思う。 もう一つがパルミチン酸アスコルビルで、こっちは分子量414.54。ギリギリ透過する大きさだ。だから 高級美容液よりも、食事の効果が圧倒的
以上、述べたように、
1.分子量500以下
2.水にも油にも溶ける
という性質がないと、皮膚を通り抜けるにはなかなか難しいのだ。こういう性質を満たしている化粧品に含まれている成分って、「水」「界面活性剤」「香料」とかだったりするのだ。有効成分と言われているもの以外のものばっかり。
香料についてはアロマセラピーがあるけど、精油は分子量が小さいのと、(ラベンダーの主要な成分リナロールは分子量154.25)、油溶性でありつつ、若干水にも溶ける性質があったりします。なので、キャリアオイルと呼ばれる植物油に溶かして皮膚に塗布し、長時間かけて体内に浸透させることが出来るのです。
油を使ってシップ薬みたいな感じに皮膚にぴったり貼りつけたみたいにして閉じ込めるんだな。ただし、美白成分とかじゃないから、皮膚というより全身の状態を改善するのに使うんだけどもさ。
実験に使ったナノ粒子。上記の条件を満たしているかとか、ちょっとどうかと思う。ポリスチレンナノ粒子はどんなに小さい粒子だったとしても、水には溶けないし、油溶性も低い。そして、ポリスチレンは高分子って呼ばれる物質の一つで、(分子量1万以上を「高分子」と言います。)
だから ナノ粒は 皮膚を通り抜けられないのだ。
1.分子量500以下
2.水にも油にも溶ける
が満たされていないと通れないの、皮膚は。ダメナノ、ナノ。そんなには可能性が高いもんじゃないんだけど、ナノ粒子、毛穴に溜まって逆に問題起こしたりするかもしれんのだ。皮膚は透過しないけど、毛穴には入り込める大きさのがあるから。白金ナノ粒子が毛穴に溜まってニキビ出来ても困るでしょ。
ビタミンCは食べて体内から皮膚に運んでもらったほうが確実です。コラーゲンは体内でアミノ酸までに分解されるから、コラーゲンとして皮下には運ばれないです。高い美容液よりも上等の食事を規則正しく食べたほうが確実。
でも、アミノ酸は皮膚に必要です。ナノナノナノ。お高い美容液よりも上等の食事を規則正しく食べたほうが確実ナノよ~。解ってくださったかしらー。ではさよーならナノー。