【症例31】全頭性円形脱毛症

全頭性円形脱毛症

患者さんが疑っている病名
病院で告げられた病名 全頭性円形脱毛症
診断名 全頭性円形脱毛症
既往症 自律神経失調症、過敏性大腸炎、花粉症

概略

もともとアレルギー体質で花粉症を毎年発症していた。(ステロイドを服用)10年前に自律神経失調症との診断を受けるが特に薬の服用はせず。ここ1年ほど、うつ病で抗不安薬を服用する。
仕事上でのストレスが強くなり、その後脱毛を発症。
自覚症状として、下痢、立ちくらみ、夜中に目が覚めることがおおい、などがある。喫煙、飲酒はない。パソコンは、ほぼ毎日2~3時間使用している。
来院時、日常的にカツラを着用していた。頭皮の状態は、硬く緊張感があった。皮膚の厚みも薄く、皮脂が多く、フケと痒みの症状があった。
来院前は、抜け毛が怖く、シャンプーをあまりしなかった。頭髪や頭皮には油脂が多く、皮膚は赤み、痒みがあり、フケが多かった。皮膚科に通院している際に、医師よりシャンプーは毎日する必要はないと言われたことと、フケは皮膚が乾燥しすぎているためとの自己判断で、よりシャンプーをしなくなった。

病歴

年齢 病歴 治療法
29歳 全体的に地肌が透けて見えるようになり、抜け毛が気になりだす。

耳の後ろ辺りに円形脱毛症。
皮膚科に通院。
デルモベートスカルプローション0.05%(ステロイド外用剤)を1日2回、アレグラを処方
脂漏性皮膚炎。 ステロイドパルス療法を受ける。
プレドニン5mgを1日3錠、トプシムローション、ニゾラールローションを処方。
30歳 次々と円形脱毛症が増えて、繋がっていくように抜け出す。頭部の7~8割が抜けている状態。
当院へ来院。

治療の経緯

初診は1月。この時、患者さんはシャンプーを殆どせず、シャンプーした後で300本ほど抜け毛のある状態だった。週に3回の通院をしてもらい、3ヶ月後の4月にはシャンプーの後で100本ほどの抜け毛のある状態になった。この時期くらいまでは、抜け毛が怖くてシャンプーを殆どしない状態が続いていたが、治療を行うには頭皮を清潔にする必要があることを理解してもらい、毎日シャンプーをするようになった。1年間、週に3回の通院を続けてもらい、その後は週に2回の通院となる。この頃、勤務先の業績が芳しくなくなり、リストラとなった。ストレスで抜け毛が増える。抜け毛が増えると、どうしてもシャンプーをするのが怖くなり、シャンプーの回数が減ってくるため、悪循環になってきている。現在、引き続き治療を行っている。

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